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「新・方法」第23号

2012年9月4日、「新・方法」は「新・方法主義第三宣言」を発表しました。これは新メンバー皆藤将が加入してからの初めての宣言となります。またこの日をもって、「新・方法」は結成2周年を迎えました。
寄稿と作品からなるEメール機関誌「新・方法」第23号をお届けします。今号では、本誌第1号の寄稿者でもあるギャラリストの松下学さんに「新・方法主義第三宣言」についてご寄稿いただきました。松下さんの運営する棚ガレリでは、10日まで新・方法の平間貴大の個展が開催されています。


[寄稿]

新・方法主義第三宣言のための非公式「(参考)」
松下学(ギャラリスト

2012年9月4日、新・方法は第三宣言を発表した。これまで新・方法は一年毎の宣言によってその足跡を歴史化しており、第三宣言はその歴史の転回点を兆すものだ。

そもそも「新」方法である新・方法は、歴史という変移を本質的に含んでおり、それはすべての宣言が過去を「(参考)」に付すことに意識的に明示されている。第一宣言では方法主義という前身を参考に新・方法という主体が告知され、第二宣言では新・方法という主体を参考として同語反復的に主体が規定され、第三宣言ではその同語反復のロジックを参考として様々な概念が同様に再定義される。

第三宣言の特徴は宣言本文に「新・方法」の語がないことだ。新・方法という主体の確立に終始する第一・第二宣言に対し、第三宣言はその主体の運動である同語反復の回帰性が、単一な主体から遊離し、有限ではあるが無限を意図して例示された様々な概念へと拡散される。しかしあくまで新・方法主義の宣言であることで新・方法という主体は留保され、これまで漠然と許容されてきた彼らの活動の多様性がその歴史に正統に位置付けられる。つまり、彼らの主体と活動を弁証法的にようやく調停したのが第三宣言だ。

歴史として段階的に開示される彼らの構成論理はここまでは一貫している。しかし、この第三宣言は次の宣言の「(参考)」の兆しでもあり、その歴史全体に内在する変遷は予定済みの不可避の衝突をすでに準備している。すなわち、新・方法の活動の根源的な矛盾であり、それゆえに唯一にして最大のドラマでもある、新・方法という主体そのものの歴史性である。この最初で最後の転回点がいつ訪れるかはさておき、兆された転回のまさにその瞬間まで、新・方法は無意味な同語反復の跡に歴史という不可逆の物語を残していくだろう。


[新・方法主義者のウェブ作品]

  • 平間貴大

紛失
http://hrmtkhr.web.fc2.com/new-method/023_j.html
紛失とは何かをなくすことである。本作品は紛失した。

  • 馬場省吾

量と境界 第七番
http://7x7whitebell.net/new-method/shogobaba/023_j.html
量と境界はデータ上で意味付けされている。更に、それが人間に知覚されて認識される。今作は『昇順へのソート 第七番「シェルソート」』の、量と境界を示している。

  • 皆藤将

細長い写真
http://masarukaido.com/newmethod/b023_j.html
4272×2848ピクセルの写真画像を31×29770ピクセルに細長く変形した。使用した写真は2009年に私がベルリンで撮影したAEGタービン工場の写真である。AEGタービン工場はペーター・ベーレンスによって設計され1910年に竣工した。この細長い写真を鑑賞するにあたって、AEGタービン工場の重厚な外観やその建築史的価値などに思いを馳せる必要はない。


[お知らせ]


[編集後記]

9月4日に新・方法は三年目を迎えました。今後の活動にますます注目です。
現在棚ガレリで開催されている平間貴大の個展は、この機関誌で発表された作品から派生する展覧会です。是非ご覧ください。
詳細 http://rad-commons.main.jp/tana/ (M)

発行人
平間貴大 @qwertyu1357
馬場省吾 @shogobaba
皆藤将 @kaido1900

機関誌「新・方法」第23号 日本語版
2012年10月4日発行