展示 「繰り返しを許された順列」 展

会場:20202
会期:2012年11月29日(木)- 12月18日(火)
時間:15:00-19:00
休廊日:日・水 休廊
入場:ドリンクオーダー(300円-)
本シリーズ「繰り返しを許された順列」(全676作品)は、n個の異なる要素を含む多重集合から、重複を許してr個を取り出し1列に並べるという方法を用いて、アルファベット26文字から2文字を選び出し、平面作品として展開しています。
2010年8月、私は『「反即興演奏としてのマラン・メルセンヌ+ジャンジャック・ルソー」「10年遅れた即興演奏としてのマラン・メルセンヌ+ジャンジャック・ルソー」』という作品を発表しました。これは順列のパターンを扱った作品で、1から7までの数字の置換の全てのパターンを音符に置き換え、それぞれ1音1秒ずつMIDI音源にして再生するというものでした。総再生時間は588分に及ぶ大作でした。これで方法音楽における方法主義宣言の徹底化と、演奏における即興の取り除きをまとめて作品化する事ができました。そして私の方法音楽家としての方法芸術への初のアプローチとなりました。
2011年2月、新・方法主義者でもある馬場省吾は『「1つの規範と3つの形式」または「直喩としての時刻」』という作品を発表しました。現在時刻を原理とし、それぞれ造られた画家、詩人、音楽家が、その構造自体を規範として、絵画、詩、音楽が同時に繰り広げられていました。それ以外には大量のメモが展示されていたのですが、日記に近いものから、制作の為のメモが中心でした。その中には方法主義や方法芸術に関するメモが少なからずありました。それまでは画家、詩人、音楽家と、役割を分担していた方法芸術ですが、原理を一つとして三つの形式を導き出し、それぞれ絵画、音楽、詩を同時に発表するという展示は、方法主義の新たな方向性を示していたといって良いでしょう。
馬場省吾の展示を踏まえ、2011年5月、私は「繰り返しを許さない順列」という作品シリーズを発表しました。最初に発表したのは1から4の数字を、重複を許さないで1列に並べる順列のパターン24種類を昇順にならべるという作品でした。それぞれ絵画、詩、音楽と題して、内容は同じで、タイトルだけ異なるというものでした。
今回展示するのは、その延長線上にある作品群になります。方法主義という名の下に、それぞれ役割分担された芸術家がそれぞれ制作していた方法芸術を、一人三役でいっぺんに発表するという方向性が出てきました。今回は一人三役を通り越して、一つの作品につき、絵、詩、音楽3つ同時に発表してしまおうというのが目論見の一つです。
http://www.shinrin20202.jp/
http://qwertyupoiu.archive661.com/biography/2012_yurusareta.html