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92日マラソンを振り返って

92日マラソン

 92日間の作品制作マラソンを終え、最後にこの文章を書くことで挨拶に代えさせていただく。ここで哲学者か科学者か芸術家か誰でも良いが読者にとって有益な引用をして、あたかもこれから語ることを代表させようとも思ったが、そもそも有益なことはしたくないので止めておく。

 92日マラソンが終わった。

 92日間の間で42km余のコースを競争する、又は92日間毎日42kmのコースを競争するわけではなく、92日間立て続けに作品を制作し公開していく催しだった。

 紀元前450年、アテナイの名将はマラトン(Marathon)に上陸したペルシャの大軍を撃退しその勝利をアテナイ元老に伝えるためにある兵士が選ばれた。兵士は約40kmの距離を駆け抜け、アテナイの郊外で「我勝てり」と告げた後に力尽きて息を引き取ったそうだ。1896年第一回目のオリンピック開催時にフランスの言語学者が故事より引用して今日におけるマラソンは陸上競技として始まった。場所はマラトンでもなくとも良いし、走者は皆各々の約42kmをシュミレーションしているとも考えられた。

 92日というのは2016年10月から12月31日までの日数であり、これを距離とした。

 当マラソンでは日数が距離の役割を果たした。タイムが競われない分、時間の感覚は限定された期間の方へ移行した。半仮想状態の中で運動を継続させる催しだった。

 走者の姿は公道で見る事が出来るように、私たちは日々現在地点と走行ペースに合わせて作品を発信した。その様子はTwitterTumblrで確認できる。

 実験は多くの失敗があってこそやる意味がある。しかし最初から失敗と思っていたらそれは実験ではない。いわゆる「捨て」にいっているようなものは作りたくなかった。毎日シリーズ物を作ることは現実的ではなかったが、私にとってはそれも含めてとにかくやるという企画になった。

 適切な入力があり、それをうまく消化して出力もバランス良く行けば良い作品ができるだろう。今回のチャレンジはそれがアンバランスのまま走り続けることとなった。それでできた作品は現時点、自分では何の判断もつかない。落ち着いて振り返るには時間が掛かりそうだ。